ニコニコ動画の自演騒ぎについて思う

参照URL:http://www39.atwiki.jp/niconicodouga/pages/12.html


簡単に流れを説明するとニコニコ動画に多く投稿され、(少なくとも見た目は)人気を博していた「歌ってみたシリーズ」の自演が発覚し大盛り上がり。その内にそれを指摘する動画や批判する動画が投稿され一部で祭りになっています。




自演した事が直接的な問題となっているワケだけど、突き詰めれば自分のコンテンツへのアクセスの姿勢の問題ではないのだろうかと思う。そう置きかえて考えてみると腐る程見てきたテキストサイト時代からのネットバトルと構造的に酷似していると思う。


今じゃテキストサイト時代を知る人は随分減ってしまったけど、現在のブログサービスの前身のようなものだとイメージして下さい(実際僕はそうだったと思っている)。あの頃から「出る杭は打たれる」というような風潮があり、人気サイトのほとんどは叩いたり叩かれたりしたものだ。非の打ち所が無い…つまりは一切のポカをせずネットバトルに参加しなかったサイトだけが無傷でいられたのだが、人気サイトの中でそのようなサイトは稀だった。


叩かれていたサイトは山ほどあったのだが、その中の理由の1つに「アクセス至上主義」というものがあった。自分のサイトにアクセスがあったら嬉しい、これはほぼ万人が共通して持っている認識だと思う。そのアクセスは多ければ多いほど嬉しい。まぁこれも分かる。それが行き着く所まで行き着いたのが「アクセス至上主義」という考え方で、この考えの凄かったところは「自分のサイトの内容は二の次。とりあえずアクセスが欲しい。それもいっぱい」というような思想にまで突き抜けていたところだった。本人達に自覚があったのか無かったのか分からなかったが周りからそう見えた。


彼らは大手サイトとのリンクを第一目標とし、それにあわせて行動していた(ように見えた)。その姿勢は凄く浅ましく卑しく見えたので彼らが台頭していくと共にアンチも増え、バッシングも多くなり時には祭りとなり徹底的に叩かれやがて衰退していった。


繰り返すが現在の騒ぎはそれと非常に酷似しているんじゃないかと思う。自演した事は確かに問題なのだがそれ以上に叩く側を刺激したのは「自演してでも自分のコンテンツ(動画)を盛り上げたい」という姿勢だったのではなかろうか。「歌ってみた系」の動画がニコニコ動画のランキングの上位に多く位置していたのも、アクセス至上主義が台頭していたという状況に良く似ている。


まぁこんなどうしようも無い昔話と比較したのには意味があって、あの頃も今も僕が感じる後味の悪さは変わらないという事なのだ。テキストサイトネットバトルはサワリを見る分には確かに面白かった。しかしまとめサイトなどで2chのログなどを見るとそのあまりにも悪意溢れた空気に思わず吐き気催したものだった。今回もそうで自演を告発する動画を見た時は「こいつらバカだなー」と深く考えずに笑ったのだが、告発された動画を見に行くと「自演乙w」「氏ね」などのコメントがほぼ動画の全編に弾幕となって流れており、その悪意の塊にまたもや吐き気を催した。


実際本気でそう思って、動画を埋め尽くすほどの悪意を振りまいてる人間はそう多くないだろう、というか思いたい。何気無く「こいつらーバカだなー。ちょっとコメントでもして煽ってやっか」というような人間が大多数だと思う。だがしかしその僅かな悪意の垂れ流しが大きな濁流となってしまう。そしてそれが目に見えて分かってしまうのがネットなのだ。


ほんの少しの悪意が溜まりに溜まって邪悪な塊となる…。いつ見ても気分の良いものではない。昔にも似たようなテキストを書いたのだが、大きな悪意はそれだけで恐怖となる。傍から見ていてもそうなのだ。もしそれが自分に向けられている事を少しでも想像して欲しい。僕はきっと耐えられないと思う。今回の自演騒ぎを起こした人間を擁護するつもりはないが、果たして彼らがそこまでの事をしたのだろうか。少しぐらいのおイタは草葉の陰で笑ってすませてやる…というのが良識ある人間ではないのか。全員が、とは言わないがこのような意識が少しずつ広まって行く日がいつか来ればいいなぁと思う。





これとは関係無く、ニコニコ動画については少し思うところがあるのでそのうちそのようなテキストを書こうかと思ってます。