『輝く!日本ブログ大賞』の致命的な欠陥
先週頃から『輝く!日本ブログ大賞』なる企画が行われていて、大して興味もなかったのですがコチラのような否定的で良い意味で面白い意見を読んだらにわかに興味が湧いてきて、一体どんなもんなんだろうと見にいったのですが、上記のサイトさんの言うとおり全くもってダメでした。ただ俺は上記のサイトさんと微妙に違う点で全くダメだと思いました。以下その理由。
まずは一番ダメだと感じた部分の資料抜粋。
(中略)
<コンセプト>〜日本ブログ大賞は、がんばってるブログを応援します!〜
一部の有名ブログやアクセスランキング上位の定番ブログのみに偏らず、無名でも内容がおもしろいブログを発掘したい。そしてこの賞をきっかけに、さらに多くの人にブログを知っていただき、自分でも始めてみようと思うきっかけになれば幸いです
(中略)
『輝く!日本ブログ大賞』 コンテスト実施要綱より 編集は俺
注目すべきは、無名でも内容がおもしろいブログを発掘したい。という部分なのですが、こういう企画では面白い無名ブログを発掘するのはほとんど無理です。その理由は2つあります。
その理由はブログにはトラックバック機能があるからです。一例としては、積極的に多くの人に見てもらおうとしている人達がやってるブログはすでに大手ブログにトラックバックしていて、大手ブログから一時的に多くのアクセスを流し込んでもらっています。そこから大きくなるかどうかはそのブログ次第で、面白いブログは流れに乗って大手ブログまたは中堅ブログになり、つまらないブログは逆に無名ブログのままです。「大手ブログにトラックバック→アクセス数を多く呼び込む」というのはあくまで一例ですが、積極的な性格の人達は大体がこの手の方法を使ってアクセスを呼び込んでいると推測します。つまりアクセスを呼び込む事に積極的な性格の人がやってる面白いブログはもうすでにそのほとんどが大手ブログか中堅ブログになっているという事です。(「トラックバック=アクセスを呼び込む手段」というのはトラックバック機能をアクセス数という観点のみから見た場合で、トラックバック批判ではありません)
2つ目の理由ですが、これは至ってシンプル。上記の理由で面白いブログで積極的な性格の人がやっているブログはほぼ発掘し尽されているという事が分かって頂けたかと思います。残っているのは消極的な性格の人がやっている面白いブログですが、そもそも消極的な人はこんな企画に応募しません。現時点で無名なので他薦される可能性も低いです。
勿論「人にトラックバックを送るのは恥ずかしいけど、こういう企画なら応募できる」という人もいるにはいると思います。つまりは積極的でもなく消極的でもない人ですが、どのタイプの人が何人いるのかというのは調べようが無いので、印象論になるのですがブログをやっている人間は積極的か消極的のどちらかに偏っていると思います。(この定義での)積極的でもなく消極的でもない人は少数派だと思います。
以上の「現在のブログ界が無名で面白いブログはほとんど無い、あったとしても表に出ようとしてない状況」という事から、『輝く!日本ブログ大賞』の「無名でも内容がおもしろいブログを発掘したい。」という企画コンセプトは、ほとんど実現不可能なコンセプトです。
ここからまた俺の印象論なのですが、この企画「無名ブログを発掘したい」→「大手ブログはむしろ邪魔」ってな感じがヒシヒシと伝わってきています。それを感じてかどうかは知りませんがはてなダイアリー参加ブログでは大手ブログ(最新はてな百傑)の参加無し*1。他のはメンドイんで見てないので一概には言えませんが、他のブログサービスも似たような参加状況だと思います(違ってたらお知らせ下さい)。前述した通り面白いブログはそのほとんどがある程度有名になっているのでその有名ブログの参加が無いのは全体のレベルの低下に繋がっています。
さらに「無名でも内容がおもしろいブログを発掘したい。」というコンセプトなので、自薦をアリにしてますが、これは完全にミスです。そもそも他薦されないようなブログが面白いワケがありません。例え1人しか読者がいなくてもそのブログがとても面白かったらその読者が推薦するでしょう。そういうブログを集めて競いあわせてこそ「ブログ大賞」の名に相応しいのではないかと。自薦ブログは禁止にするべきです。
結論としては「無名でも内容がおもしろいブログを発掘したい。」というコンセプトは意図するもの自体は良い思惑を感じるのですが、現在のブログ界の状況を全く分かっていないコンセプトでただでさえ完全なミスな上に余計な付加効果までついてきてしまって最悪のミスになってしまっています。これからこの企画を面白くしようと思ったら有名ブログをかたっぱしから推薦して全体のレベルを底上げするのが良いと思われるのですが、そんな面倒な事、俺はしません。
あと蛇足ですが、ブログサービス事に参加ブログを区分けしている意図が不明。「はてな内NO1」とかいう風に部門分けするのかしら。
*1:2005/2/1 22時現在