テイルズオブシンフォニア

テイルズ オブ シンフォニア (Tales of Symphonia)


初代にしてある意味1つの到達点に到達した初代テイルズ「テイルズオブファンタジア」の姉妹作(だと思われる)。


まず最初に一言、非常に出来の良い作品。戦闘も複雑すぎず、簡単すぎず。強いて言うなら秘奥義を出すのが難しすぎるが、簡潔な必殺技(Uアタック)が設定されているので、簡単プレイでも派手な技をバンバン出す事が可能。なので、逆に秘奥義は隠し要素として存在している分楽しみが増す。コンボも爽快に繋げる事が出来て中々飽きない仕様。発展途上の部分も感じるがシリーズの中でも十分に完成されたゲーム性と言える。


成長システムも良い。スキルを組み合わせる事により、新たなスキルを見つけるというのが重要な要素の一つとなっているが、組み合わせの試し方に案外融通が効くのが良。また名ばかりのスキルじゃなくて実際戦闘に大きな影響を与えるし。なお、パワー型とテクニック型に育て分けれるのも楽しい、同じタイプに飽きたらすぐに型を変更できるのも良いポイント。


そしてなによりストーリーが素晴らしい。個人的にこのシリーズでストーリーが最高水準なのは「レジェンディア」「ジ・アビス」だが、それに次ぐもしくはそれに匹敵する出来。非常に複雑なストーリーなのだが、膨大な数の伏線を上手く昇華しており、物語の破綻を防ぎ、綺麗にまとめている。なによりファンに嬉しいのが「ファンタジア」との(間接的な)関連、オマージュだと思われるが、「ファンタジア」をプレイしたファンは感涙もの。






※ネタバレ※


ストーリについてだが、主人公については特にいう事は無いが(可も不可も無いという意味)、ラスボスが実に素晴らしい。ラストのセリフが「それでも僕はこの選択をし続ける」だったと記憶しているが、思想的に主人公サイドに屈して無いのが実に素晴らしい。本当に感動した。最近のゲームはとてつも無い巨大なラスボス(魔王など)は主義も思想もない人形だし、等身大的なラスボスに至っては最終的に思想的に主人公サイドに屈服し「僕もやり直せるかな?」的な発言を残すのが多い。


いや、それは違うだろ、前者は全くの問題外として後者の場合は「んなアホな」と。そんなに簡単に自分の非が認められるなら、簡単に世界を滅ぼそうとするなと、すぐに気付けよ、と。世界滅亡クラスのスケールのでかい事をやる人間には確固たる信念と思想が必要なのだ(まぁ単純に狂ってるだけでもリアリティはあるが面白くは無い)。特に今作のラスボスは現在の世界を滅亡さえようという理由も明確に設定されている(本編ではほとんど語られないが)。単純な善悪の闘争に嫌気が差していたのでこれは目が覚める思いだった。単純な善悪の問題で終結していないのが物語の悲劇性と神秘性を増している。そこが本当に良い。


※ネタバレ終了※






褒めっぱなしの今作だが、欠点が全く無いワケでは無い。それはグラフィックが若干荒いのとロードの読み込みがこれもまた若干遅い事。これはまぁ仕方無い。元々ゲームキューブのゲームを無理矢理PS2に移植したのだから(ハードの性能も十分あるだろう)。だが良く考えてみるとゲームキューブではグラフィックが綺麗で読み込みも早いかったという事は、多少イベントや秘奥義が少なくなっている(PS2版では追加イベント等アリ)のを気にしなければゲームキューブ版はテイルズの最高傑作と言っても過言では無いと思う。