ワンピースはジョジョに学ぶといいと思う

最近友人に「ワンピースはグランドラインに入る前の方が面白かった」と言ったら「最近の方が面白い」と返されて愕然としました。そうか…すっかり読んで無かったけど最近のワンピースはそんなに面白かったのか…。ジャンプ感想のサイトを回っていると確かに最近のワンピースは良いらしい。長ったるいバトルが終わった後の評判がよろしいようでどうやらワンピースはバトル以外は昔の水準を保っているようですね。まぁ最近のワンピースをまともに読んでない僕があの漫画にあれこれ言うのは根本的に間違っている気がしないでもないワケですが、生憎ここは僕のサイト。言いたい事を言わせてもらおうと思います。


ワンピースの何がダメかというとどう考えてもまずバトルがダメ過ぎでしょう。ワンピースのバトルはただ長いだけで長い長いバトルを消化した後に待ち受けているのは根性(ようなもの)で敵をボコボコにするルフィ君。冷静に分析するとそれは「根性」ですらなかったりするのですがそんな事は大きな問題ではないのでここでは保留としておきます。少年漫画なんですから最終的に主人公が勝つのはまぁ良いです。問題なのはその過程であるバトル描写が長々としている上に緊張感も無くてどうしようもなくつまらない事。人が死なないワンピースだからというのもありますが、お互いがダメージを与えている過程が本当にどうでもいい。設定上は一撃必殺級の技を持っていてそれを放っているにも関わらず何故か敵も味方もダメージを受けずちんたらちんたら殴りあい。敵の能力が変わろうが殴り方や殴られ方が変わるだけで何の面白味も無い。そして何ヶ月もかけて敵味方ともボロボロになったらルフィ君の主人公補正で「うおー」これじゃ面白いワケが無いです。せっかく「ゴムゴムの実」を始め魅力的な能力が揃っていて、しかも新しく魅力的な能力をいくらでも創れる世界観の意味がないです。


そこでジョジョの能力バトルを取り入れるワケですよ。ジョジョのように設定された能力は(少なくともその戦闘においては)忠実に反映させればいいと思います。スベスベの実で滑らされたら一切合切(その戦闘においては)物を掴む事ができない。ただこれだけの事を忠実に守ればいいです。物を掴めなくする能力なのにそれが効いてるにも関わらず武器を使われて負けるのはギャグかと思いましたよ。壁をスパンッと切れる能力者がいたらソイツに斬られた箇所は本当に切れさせればいいんです。骨が切れて皮1枚で繋がっている描写というのはそんなに難しいものではないでしょう。戦闘が終ったら何事も無かったかのようにくっついていてもいいんです(幸いルフィ海賊団には医者もいますしね)。少なくとも戦闘中は設定された能力に忠実に。ただこれだけです。これだけで絶対負けるハズの無い戦闘にも緊張感が生まれると思うのです。壁は切れるのにそれが直撃した人間が無傷なんてただのギャグですよ。そしてプロレスのようにお互いが技を受けきる戦闘描写を「受けまくる」じゃなく「かわしまくる」にすればいいと思います。ただカスっているだけなのにお互いボロボロ…これですよ。どうみても直撃しているにも関わらずダメージが無いから駄目なのです。「どうみても直撃している」の部分を「かわしまくっている」に変えるだけで戦闘が格段に面白くなるワケです。こんな戦闘描写を繰り返していけばジョジョのような至高の能力バトルも夢ではないと思うのです。


そしてもう1つダメなの時折挿入される回想シーン。物語のキーとなる話が多くて基本的に珠玉のエピソード揃いなのですがいかんせん少し長すぎる。これもジョジョのように1話で終らせればいいんですよ。1話で終らせたからと言って内容が薄くなるワケでなくてむしろ濃くなると思います。ジョジョの回想シーンなんてせいぜい1話程度のモノなのに最近のはどれもこれも印象に深く残るエピソードだらけです。むしろ1話にまとめる事によって濃密な話に昇華されて印象に残るのです。


結局ワンピースに求めるのは水増ししている部分を削り取るか水増しするなら少しは面白く味付けして欲しいというところでしょうか。The 男爵ディーノさんで「展開に煮詰まった漫画家は休載するか、バトルを長引かせて時間稼ぎをするしか無い」というエピソードが(いつかのジャンプ感想で)紹介されているのをみて僕も尾田先生に同情する部分はあります。ジャンプという雑誌も商業誌ですので人気作家ゆえの様々な制約はあるでしょう。水増しをするなとは言いませんがせめて最低限の味付けをして水増しをして欲しいと思うのです。今のワンピースは味が薄すぎて僕は飲めたもんじゃないと思っています。でも時折薄められてない回があったりしてそれを読んでないとなんか損をした気になってしまいます。尾田先生は本当は凄い面白い漫画が描ける才能を持った人なのだから後もうほんの少しばかり頑張って欲しいと思います。発想の天才である荒木先生になれとは言いませんがなろうと努力をして欲しいです。


僕がワンピースを再び読み始める日は来るのかなぁ。